ハワイ挙式とリゾートウェディングの現実 〜これからの新しい選択肢へ〜
1. かつて“海外挙式=ハワイ”だった理由
日本人カップルにとって、長年、海外ウェディングといえば「ハワイ」でした。その理由は大きく4つあります。
① 圧倒的な会場バリエーション
ハワイにはチャペル、教会、ガーデンなど多彩な会場が揃い、ワイキキやホノルルのリゾートホテル敷地内には、海の見えるチャペルや歴史ある教会、緑あふれるガーデンなど、理想のスタイルを自由に選ぶことができました。
他のリゾートと比較すると、
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アジアリゾート(バリ、グアム、サイパンなど)はチャペルやガーデンが主流で、教会のバリエーションは限定的。
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ヨーロッパは歴史的な教会やお城が中心ですが、選択肢はそこまで多くありません。
「どんな挙式スタイルも叶う」バリエーションの豊富さが、ハワイ挙式の最大の魅力でした。
② プロデュース会社・サポート体制の充実
ハワイは日本人向けのウェディングプロデュース会社が非常に多く、問い合わせから挙式当日まで日本語で全て相談できる安心感がありました。
写真・動画撮影、衣装レンタル、ヘアメイク、ブーケや装飾手配まで、必要なサービスがワンストップで揃うのも特徴。現地にも日本人スタッフが常駐しているケースが多く、急なトラブルにも迅速・丁寧に対応してくれる安心感も支持されていました。
さらに、現地在住の個人プランナーに依頼するスタイルも増え、型にはまらない柔軟な提案やオリジナル演出ができ、「自分たちらしい挙式を叶えたい」というカップルにも人気でした。
③ コストパフォーマンスが高い
ヨーロッパなどと比べ、ハワイは旅費・滞在費を抑えやすいことも人気の理由でした。パリやイタリアなどは航空券や現地の物価が高いのに対し、ハワイは直行便も豊富で旅行パッケージも充実し、コストを抑えつつリゾート挙式が叶う環境が整っていました。
④ 家族が同行しやすいロケーション
日本からハワイへはフライト約8時間。成田・関空・名古屋・福岡など全国から直行便がありアクセスも抜群です。英語圏で治安も良く、お子様連れや高齢のご両親も安心して同行できる点が、ハワイ挙式の大きな強みでした。
2. コロナ禍を経て激変した“リゾート挙式”の現状
① チャペル数の減少と現地事情
2020年以降、ハワイ挙式を取り巻く環境は大きく変化しました。コロナ前までは、ワイキキやリゾートホテル内のチャペルが日本人カップルの定番であり、1チャペルで年間1,000〜2,000組の挙式が行われていたケースも珍しくありませんでした。
しかし、コロナ禍で渡航がストップし、現地のチャペルは賃料を払い続けるだけで稼働できず、アフターコロナになっても挙式組数はコロナ前の2割程度に激減。採算が取れなくなった日本のプロデュース会社がチャペルの契約更新をせず、次々と撤退。その結果、多くのチャペルが閉鎖や取り壊しとなり、現地から撤退するケースも相次ぎました。
② プロデュース会社や日本人スタッフの撤退
チャペルの閉鎖に伴い、プロデュース会社・衣装会社・個人プランナー・日本人フォトグラファー・日本人ヘアメイクなど、関連事業者も次々と撤退を余儀なくされています。
そもそもハワイ在住のローカルカップルはガーデン挙式が主流で、日本人専用チャペルは現地では需要が少なく、維持が難しいという構造的な問題が浮き彫りになりました。
特に象徴的だったのが、大手衣裳会社が所有していたアラモアナエリアの人気会場「テラス・バイ・ザ・シー」。最盛期には年間2,000組以上の挙式を行い、芸能人も利用するなどハワイ挙式を代表する会場でしたが、2025年度中に運営会社が変更となり、大手衣裳会社もハワイからの撤退を決定しました。
この背景には、日本の企業が多額の投資をして維持してきたものの、組数の大幅減少や物価・人件費の高騰により運営が困難になったことがあります。
こうした動きは、ハワイ挙式の“王道時代”が終焉を迎えつつあることを象徴しています。
③ 円安・物価高による費用高騰
コロナ禍が明ければ再び多くの日本人カップルが戻ると期待されていましたが、現実には円安と物価高の波が直撃。日本の挙式会社は挙式代金を大きく割引して顧客を増やそうと努力しましたが、現地の会場使用料、料理、ケーキ、ブーケ、送迎、人件費(フォトグラファー、ヘアメイク、アテンドなど)すべてが桁違いに上昇。
さらに、ハワイは太平洋のど真ん中。すべての物資を輸送しなければならず、燃料・ガソリン代の高騰も加わって輸送コストが大幅アップ。現地物価も急激に上がり、かつての「手が届きやすい海外挙式」は“憧れはあるけど現実的には厳しい”というイメージに変わりつつあります。
現地での出費も大きく上昇
さらに見逃せないのが、現地での出費の高騰です。
まず、宿泊費が異常なほど高くなっています。
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5つ星クラスのホテルでは1泊10万円以上
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3つ星クラスでも1泊6万円以上
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エコノミークラスでも1泊3万〜4万円台
という、家族や友人と数泊するだけでも宿泊費だけで大きな負担になる価格帯が一般的です。
食事代も高騰しており、
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ランチで一人5,000円前後
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ディナーでは15,000円前後
といった価格帯が一般的となり、旅費だけでなく現地滞在費の負担も大きくなっています。
さらに、アメリカ圏ならではの**「チップ」も毎回バカにならない出費**です。レストランやホテル、送迎、サービス利用時ごとにチップが必要となるため、現地での支払い総額が想像以上に膨らんでしまうケースも珍しくありません。
一人あたりの旅費総額も30万円を越えることが多く以前の2倍近くになっています。
ハワイは航空会社各社の努力によって直行便やサービスは充実していますが、現地での宿泊料金が年々高騰し、加えて多額の税金も課せられるため、旅行全体のコスト負担が大きくなっているのが現実です。表示されている宿泊料金だけではなく、「税金だけでこれほどの金額が上乗せされる」という点にご注意ください。
① 宿泊代金+税金(4つ星 1泊80,000円)
宿泊数 | 宿泊基本料金 | 税金合計 | 宿泊代金+税金総額 |
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1泊 | 80,000円 | 15,400円 | 95,400円 |
3泊 | 240,000円 | 46,200円 | 286,200円 |
② 税金だけの内訳(4つ星 1泊80,000円の場合・税率付)
税金項目 | 税率 | 1泊分 | 3泊分 |
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州TAT(宿泊税) | 11% | 8,800円 | 26,400円 |
郡TAT(オアフ郡宿泊税) | 3% | 2,400円 | 7,200円 |
一般消費税(GET) | 4.5% | 3,600円 | 10,800円 |
グリーン・フィー(環境税) | 0.75% | 600円 | 1,800円 |
税金合計 | — | 15,400円 | 46,200円 |
3. 一般的なリゾート挙式の平均費用と、いまの相場感
結婚情報誌ゼクシィでは、
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挙式費用:126万円/2名
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旅費:89.9万円/2名
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合計:215.9万円
という数字が紹介されています。
この金額をもとに「リゾート挙式=200万円ちょっとで実現できる」というイメージを持つ方も多いでしょう。
しかし、実際の現場感覚では、
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挙式費用:約250万円
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旅費:約100万円
と、合計で350万円前後かかるケースが珍しくありません。
この挙式費用・旅費の高騰は、決して挙式会社や旅行会社の利益によるものではありません。各社とも必死に価格を抑えていますが、世界的な物価上昇と急激な円安のダブルパンチをもろに受けているのが現実です。
4. 「みんなで楽しめるから」こそハワイ挙式だった
そもそも、ハワイ挙式が長年選ばれてきた理由の一つは「家族や友人みんなで旅行も兼ねて楽しめる」という特別な体験ができたからです。大切な人たちと非日常のリゾートで思い出を共有する——これがハワイ挙式最大の魅力でした。
しかし、今や旅行代金や宿泊費、現地出費が高騰しすぎて、呼ぶ側も“こんなに費用がかかるのに誘っていいのか…”と遠慮しがち。一方、招待される側も「出席したいけど負担が大きい…」と悩んでしまうのが現実です。結果として、「みんなで行けないのなら、無理にハワイで挙げる意味があるのか?」と感じ、沖縄など国内リゾートウエディングを再検討するカップルも増えています。
5. いま、海外挙式は“ハワイだけ”じゃない
このように、“ハワイ一択”だった海外挙式の時代は大きく変わりつつあります。
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「ハワイは憧れだけど今の時代、現実的に難しい」
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「だったら国内の沖縄にしよう」
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「…いや、海外リゾート挙式自体が無理なのかな?」
そんな声が増えてきた今、「海外挙式=ハワイだけじゃない」という新しい選択肢を考えてみる価値があります。
6. 円安・物価高でハワイが遠くなった今、オーストラリアという選択肢
もし、「みんなで海外挙式を叶えたい」「せっかくなら非日常のロケーションで記念になる一日を過ごしたい」と思うなら——円安・物価高でハワイが現実的でなくなった今こそ、オーストラリアを選択肢に加えてみてはいかがでしょうか。
オーストラリアには、ハワイに負けないほどの美しいロケーション、歴史と自然が融合した多彩な会場、そしてコスト面・アクセス面での新たな魅力が詰まっています。
7. 新時代のリゾートウェディング——オーストラリア挙式という選択
圧倒的なロケーションと多彩な会場バリエーション
オーストラリアは今、ハワイに代わる「新しい海外挙式の本命」として注目されています。その最大の理由は会場バリエーションとロケーションの豊かさ。
歴史ある大聖堂やクラシカルな教会、どこまでも続く白砂のビーチ、自然豊かなガーデン、プライベートヴィラなど、都市ごとにまったく異なる景色が広がり、ふたりの希望に合わせて“本当にやりたいウェディング”が選べます。
たとえば——
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ブリスベンの荘厳な大聖堂
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ゴールドコーストのオーシャンビューのビーチやガーデン
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シドニーやメルボルンのモダンな街並みとクラシックな教会
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パースの歴史ある建造物とアートな街角
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ケアンズのトロピカルな大自然とリゾート
どの都市でも写真映え・動画映えするロケーションが揃っています。
一方、オーストラリアはハワイとは大きく異なります。
まず、日本企業が現地にチャペルを建設・投資して運営しているのではなく、地元で長い歴史を持つ教会や大聖堂、結婚式場が主流です。これらの会場は、もともとオーストラリアの地元カップルや地域の人々の結婚式で使われており、日本人向け挙式は“あくまで一部”という位置付けです。そのため、日本人カップルの需要減少があっても会場運営自体が左右されることはなく、コロナ後も変わらず維持・運営されています。
さらに、オーストラリアは自国の資源を生かした自給自足の経済構造が強く、鉄鉱石などの資源関連産業も好調。国全体の経済基盤がしっかりしており、急激な物価上昇も起きていません。
このため、結婚式費用もコロナ前とほとんど変わらない水準が維持されており、物価高や為替リスクによる大幅な値上げも起こっていません。
“会場の運営リスクが少なく、安定した料金で挙式が叶う”
これが、オーストラリアでの海外ウェディングの大きな安心ポイントです。
物価・為替の安定、コストパフォーマンスの良さ
円安や世界的な物価高騰が続く中、オーストラリアは現地通貨(AUD)と日本円の為替が比較的安定しています。ハワイやヨーロッパに比べて総費用が明瞭で、追加料金も発生しにくいパッケージが増えており、「想定外の高額請求」というリスクも少なめ。
挙式費用や衣装・写真プランの価格が明確で、コスト管理がしやすいのもオーストラリアならではの安心ポイントです。
アクセスと時差のストレスフリーさ
オーストラリアの主要都市(シドニー・ブリスベン・メルボルン・パース・ケアンズ)は、日本各地から直行便が充実しています。
フライト時間は7〜10時間前後(ケアンズなら最短7時間程度)で、時差も1〜2時間程度と非常に少なく、到着後も体調管理がしやすいのが大きな魅力です。
そのため、小さなお子様連れやご年配のご家族・ゲストにも安心しておすすめできる環境が整っています。
ハワイとオーストラリア——航空便の違いと日本人にとってのメリット
ハワイ路線の場合、日本からの観光客が航空便の需要を支えているのが大きな特徴です。**リゾート路線故に、日本人観光客の動向によって便数や料金、運航状況が大きく左右されやすく、**特に閑散期には減便や料金の高騰が発生しやすい傾向があります。旅行シーズンや連休・夏休み・年末年始などピーク時はフライトも満席となりやすい一方で、オフシーズンは減便や運賃高騰など不安定さが見られます。
一方、オーストラリア路線の大きな違いは、「日本人よりもオーストラリア人の日本旅行(インバウンド)需要」によって搭乗率が支えられているという点です。実際、日豪間の直行便は搭乗者の8割以上がオーストラリア人で占められており、年間を通じて安定して搭乗率80%以上をキープしています。
これは近年、オーストラリア人の訪日旅行が右肩上がりで増え続けていることが背景にあります。そのため、需要の高まりに支えられて航空路線の維持・拡大が積極的に進められているのです。
たとえば、2025年冬には札幌—シドニー直行便の新規就航も決定しており、今後もオーストラリア各都市と日本各地を結ぶ路線はさらに拡充されていきます。現在は日系航空会社、オーストラリア系航空会社、LCC(格安航空会社)など、過去最高の選択肢が揃い、航空会社同士の競争も激化中です。
こうした環境下で、その恩恵を一番受けられるのが日本人旅行者。
直行便の選択肢が増え、航空運賃もシーズンや会社によってはこれまで以上に安く、便利にオーストラリアへ行ける時代になっています。
今後さらに多様な路線とサービスが拡充されることで、オーストラリアウェディングや旅行を検討する日本人カップルやご家族にとっても、非常に大きなメリットとなっています。
治安とクリーンな都市環境
オーストラリアは世界でも有数の治安の良さ、都市の清潔さで知られています。観光都市としても発展しており、初めて海外挙式をする方やお子様連れのファミリーにも安心しておすすめできる環境が整っています。
日本語サポート・現地サービスの充実
近年はワーキングホリデーや留学でオーストラリアへ渡豪する日本人も多くなり現地で日本人に遭遇するケースも多くなっています。「言葉の壁が心配…」という方にも安心です。
衣装・ヘアメイク・写真・動画撮影も日本人スタッフや日本語対応可能なスタッフが揃い、希望を細かく叶えられるプランが増えています。
「みんなで行ける」ウェディングが実現しやすい
費用面・アクセス面・時差・現地環境…すべてのバランスを考えたとき、「みんなで行ける海外挙式」という理想をオーストラリアなら現実的に叶えることができる時代が来ています。
両親や兄弟姉妹はもちろん、お子様連れのファミリー、友人や職場の仲間まで幅広い世代が一緒に安心して参加できるのが大きなポイント。渡航のしやすさ、時差ボケの心配が少ない気候や治安の良さも手伝って、参加するすべてのゲストが無理なく楽しめる環境が整っています。
そして、挙式だけで終わらないのがオーストラリアウェディングの醍醐味。
美しいビーチや大自然の絶景でのフォトツアー、野生動物とのふれあい、世界的に有名なワイナリー巡り、現地グルメの食べ歩き、市内観光やショッピングなど、「家族旅行」や「ハネムーン」を兼ねた豊かな体験が一度に叶うのが特徴です。
また、オーストラリアならではのアクティビティも充実。
グレートバリアリーフでのクルーズやダイビング、オペラハウス観光、カフェ巡り、先住民族アボリジニの文化体験など、ゲストそれぞれが自由に思い思いの過ごし方を楽しめるのも魅力です。
つまり、
「みんなで行ける」「みんなで楽しめる」「みんなで思い出を作れる」
そんな全員参加型の海外ウェディングが、オーストラリアなら無理なく実現できます。
〜「これからの海外挙式」を叶えるなら〜
いま、海外挙式のスタンダードは大きく変わろうとしています。
これまで「海外挙式=ハワイ」と言われてきた時代が、円安や物価高、現地事情の変化によって終わりを迎えつつあります。かつては家族や友人と“みんなで行ける”ハワイ挙式が圧倒的な支持を集めていましたが、現在は高騰する旅行費用や現地での出費、会場やサポート体制の縮小により、気軽に実現できるものではなくなりました。
その一方で、オーストラリアはコロナ禍を経ても現地教会や大聖堂、リゾート会場が安定運営され、物価も急激な上昇がなく、コスト面でも安心して検討できる貴重な海外リゾートの一つです。
豊かな自然、美しいビーチや歴史的建築、都会の洗練といった多彩なロケーション、そして治安・衛生・アクセス・日本語サポートまで、初めて海外挙式を考える方にも安心の条件が揃っています。
さらに、挙式だけでなく家族や友人との旅行、観光、グルメ体験、ハネムーンまで“みんなで一緒に思い出をつくれる”のが、今のオーストラリア挙式の最大の魅力です。コストパフォーマンスや現地環境を重視しながらも、唯一無二の時間を過ごせる、新しい海外ウェディングのカタチとして、多くのカップルに選ばれ始めています。
「みんなで行ける」「みんなで楽しめる」――。
いま、家族や大切な人たちと新しい人生の門出を祝うなら、オーストラリアで心に残るウェディングを実現してみませんか?