お客様にとっての最適解は1つじゃない|提案力が問われる時代へ
先日、ある大手旅行代理店の担当者にフォトウエディングの相談をした際に、こんなことを言われました。というお客様からの相談がありました。
「ケアンズは雨季に入るので、ハワイをおすすめしますよ。」
一見、もっともらしい提案に聞こえますが——
本当にそれが最適解だったのでしょうか?
ケアンズが雨季に入るのは事実です。
オーストラリア=ケアンズだけではないという視点
確かにケアンズは1月〜3月が雨季。スコールのような雨もあり、ビーチ撮影には注意が必要な時期です。
でも、オーストラリアはケアンズだけではありません。
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ゴールドコーストは晴天率が高く、撮影日和が続くビーチリゾート。
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シドニーは都市と自然が融合したロケーションで、海も街も楽しめます。
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メルボルンではヨーロッパのようなクラシカルな雰囲気の街並みが魅力。
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パースは乾燥した気候で、年間を通して快晴が多い都市です。
「ケアンズがダメならオーストラリア全体がダメ」ではなく、都市を変えれば良いだけの話。
担当者がオーストラリアの多様性を把握していなかったのか、提案が一辺倒だったことに、正直がっかりしました。
ケアンズだけしかプランが用意されていない日本で営業されている会社によくありがちなケースかと思います。
ハワイは「常に晴天」ではない
また、「ハワイは安定しているから安心」というのも誤解です。
ハワイも冬(12月〜3月頃)は雨が多く、風が強い日もあります。
特にビーチ撮影では、雲が厚くて背景が白くなることもしばしば。
人気観光地ゆえに、撮影場所の人の多さや場所取りの難しさもあります。
過去に大人気だった東海岸のワイマナロビーチなど
東海岸は撮影場所も商業利用ができないビーチが大半ですし
撮影できるのはアラモアナビーチ、マジックアイランドが中心。
他にはワイアラエビーチはワイキキから少し離れるし、
海もさほど綺麗でもない為、選択肢から外れます。
「ハワイなら絶対に大丈夫」という印象だけで紹介するのは、少し無責任にも感じます。
アラモアナビーチ
提案の引き出しがないと、選択肢は狭まる
「雨季だからケアンズは避けましょう、代わりにハワイで」という発想は、提案の幅が狭いからこそ出てくる言葉です。
本来であれば、
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都市別の気候や撮影ロケーションの比較
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撮影後の旅程設計や移動の利便性
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衣裳の持ち運びや現地レンタルの有無
などを含めて、**総合的に“その人に合ったベストな提案”**をしてほしいと感じました。
オーストラリアでしか撮れない景色がある
ケアンズが雨季であっても、他の都市に目を向ければオーストラリアならではの絶景が広がっています。
大自然、開放的なビーチ、歴史的な街並み、多様な文化…
「オーストラリアに行きたい」という想いがあるなら、その気持ちを大切にした提案であってほしい。
まとめ:本当に必要なのは“比較”ではなく“理解”
大切なのは「雨季かどうか」だけでなく、
その人がなぜその国に行きたいのか、どんな旅をしたいのかを理解すること。
天候はもちろん大事ですが、それだけで行き先を決めるのはもったいない。
そして、オーストラリアの可能性を、もっと広く深く知ってもらいたいと心から思います。